秋葉原の寂れた一角に、日本酒の銘店と名高いバーがあった。
少し前まで、この店は潰れかけのメイド・カフェだった。
この窮地を救ったのが、“日本酒ソムリエ”と自称する主人公・三輪数馬(みわかずま)。
元々彼は、アルバイトで日銭を稼ぎながら日本酒ブログを運営する冴えない男だった。
ある日、謎の老人と出会ったことが、彼と潰れかけのカフェにとって大きな転機となった。
老人にカフェに連れてこられた数馬は、その料理の味に絶句する。
経営者・香織の母親は凄腕料理人と呼ばれていたが、彼女の死後、客足は遠のき、閉店寸前。
老人は、自分が店を買い取ることを申し出て、代わりに一つの条件を示す。
――その条件とは、数馬と香織が力を合わせ、期限内にこのメイド・カフェを『ミシュラン・ガイド』に載せること。
香織に協力を頼まれた数馬は、日本酒に関する知見と、人の心を見抜く観察力を活かし、店のプロデュースに挑む。
果たして数馬は、あらゆる困難を乗り越え、日本酒で皆を笑顔にすることができるのか?