王位を簒奪しようとした野望卿ジークフリートは、ついには国王夫妻を殺すという暴挙に出る。しかし、正統な王位継承者となるためには、直系である幼き姫、ララ姫との婚姻が必要。姫を捕らえようとする野望卿の追っ手を退けるために、王国の騎士達は一人また一人と数を減らしていく。最後に残った騎士は「茨のギデオン」ギデオン・ソーン。ギデオンは追っ手を振り切るために、魔物どもが棲むといわれている禁断の森へと入っていった。森を進むギデオンとララ姫が出会ったのは、紅い鱗のドラゴン。ドラゴンと騎士は不倶戴天の敵。逃避行で疲れ果てている騎士は、姫を守るために剣の柄に手をかけた。国王夫妻を亡き者にし、国中を暴政で混乱に陥れる野望卿。不倶戴天の敵であるはずの騎士とドラゴンは、不本意ながらも手を取り合う。それは、幼き姫を守るため、ただ-姫のために-それだけであった。