12世紀、イスラーム世界で受け継がれてきたアリストテレスの著作がキリスト教徒に再発見される-合理的な思考様式を備え従来の世界観を覆すその思想は、キリスト教世界に大きな衝撃を与え、信仰と理性、正統と異端をめぐって、教会と大学を論争の嵐に巻き込んでゆく。神は理性で説明できるのか?宗教と科学の調和はどこまで可能なのか?「アリストテレス革命」とも呼ぶべき、中世ヨーロッパの知の覚醒を鮮やかに描く西欧精神史。