国内の若手研究者によるライブ感あふれるデータ分析事例集。有意性検定による手続き化された定石を180度転換する思考法として,「尤度によって現象を考える研究パラダイム」へと誘う。19の多彩な事例で,心理学が希求してきた「心理現象の一般法則の確立」と「個性の有り様の記述」の両者を同時に表現する道を拓く。
◆主な目次◆
第1章 大学生は18禁映像をどれくらい見ているか――2要因配置のAR法―― 豊田秀樹
第2章 血液型と性格には関連がある?――ベイズ的アプローチによる再分析―― 下司忠大
第3章 阪神ファン-巨人ファンの2大勢力構造は本当か?――Non-Zero過剰分布と多次元展開法を用いた感情温度の分析―― 清水裕士
第4章 ことばの背後にある意図を探る傾向の個人差――2項分布を用いた間接的要求の解釈率のモデリング―― 平川 真
第5章 音声から感情はわかるか? 鈴木朋子
第6章 男心をくすぐるデート戦略――時間で変化するデートの魅力を階層ベイズでモデリング―― 坂本次郎
第7章 心の旅が始まる――観光のイメージの世代間比較―― 小杉考司
第8章 傾いた文字は正しい文字か? 鏡文字か?――心的回転課題の反応時間を説明する混合プロセスモデル―― 武藤拓之
第9章 己の「歌唱力」を推定する――カラオケ採点データを用いたベイズ統計モデリング―― 紀ノ定保礼
第10章 オンライン調査における回答項目数のモデリング 岡田謙介
第11章 歴代M-1グランプリで最もおもしろいのは誰か 徳岡 大
第12章 顔は口ほどではないが嘘を言う――SDT,MPTによる二値データのモデリング―― 難波修史
第13章 集団メンバーの消極的な発言は他メンバーのパフォーマンスを低下させるか――参加者間計画の心理学実験で得られた集団データの分析―― 後藤崇志
第14章 いつになったら原稿を書くのか?――執筆量モニタリングにおける変化点検出―― 国里愛彦
第15章 探すのに集中しているときとそうでないときで何が違うのか?――指数-正規分布の階層モデリング―― 井上和哉
第16章 あなたの英語,大丈夫? 鬼田崇作・草薙邦広
第17章 心理療法の介入効果――構造方程式モデリングによる改善要因の検討―― 竹林由武
第18章 本当に麻雀が強いのは誰か?――ディリクレ分布を用いた雀力のモデリング―― 杣取恵太
第19章 男女間のナルシシズム傾向の差の検討――性別によるDIFを統制したベイズ項目反応モデル―― 北條大樹