クモが糸をはいて巣を張っていくように、ルイーズ・ブルジョワの母親は、いろいろな糸でタペストリーを修復しました。家には仕事場もあり、のちに世界的な現代アーティストとなるルイーズは、子どものころから、すこしずつ仕事をおぼえていきます。
母と娘の絆、糸や布地と向き合う日々、わたしたちの誰をも深く結びつける思い出というもの――。それらは、彫刻家としてさまざまなすばらしい作品をつくる土台となりました。
美しい陰影にいろどられたこの詩的な物語は、代表作『ママン』で世界的な彫刻家となったルイーズ・ブルジョワの生涯をみごとに描きだしています。