突然の崩壊だ。これは小説なのか、それとも記録なのか。『独立国家のつくりかた』の異才が、未経験の幻視世界を言語でまざまざと体感させ、新しい次元をひらく書き下ろし長編。「だから、最後に聞きます。これからはじまることを、あなたは知っていたのですか。それならば、なぜそれを止めようとしなかったのですか。なぜ、あなたはそのまま放置し、労働を続けたのですか。それは自分で理解していたのですか。それともあなたは自分自身であることを見失っていたのですか。」