一九三三(昭八)年、英国留学後に上梓、幾多の詩人達に衝撃的影響を与えた日本語第一詩集『Ambarvalia』(「アルバルワリア」)。「旅人は待てよ/このかすかな泉に/…」ではじまる東洋的幽玄漂う長篇詩、一九四七年刊『旅人かへらず』。対照的な二冊に時に燿き時に沈潜する西脇順三郎の奔放自在、華麗な詩想とことばの生誕の源泉を見る。日本の現代詩最高の偉業二作を完全収録の文庫版。