教育、芸術、農業、医療等、多彩な才能を発揮したルドルフ・シュタイナー。彼は経済の分野にもユニークな仕事を残した。世界経済を一つの有機体ととらえるシュタイナーの理論では、資本が一部の人間や地域に集中することは否定される。資本は血液のように、絶えず循環されなければならない。そして食物が消化され、体の一部となるように、資本も経済の環の中で姿を変えながらいずれ消滅し、生まれ変わることが求められる。富める者も貧しい者も生まない経済学。ここには今に活かせるヒントがあふれている。ミヒャエル・エンデを魅了し、名作『モモ』を生んだあたたかな理論。