• 著者池内了
  • 出版社集英社
  • ISBN9784087210514
  • 発行2018年10月

司馬江漢 / 「江戸のダ・ヴィンチ」の型破り人生

"18世紀の江戸の町で破天荒な大活躍をした、知られざる「天才」がいた!
1700年代の時点で西洋画をマスターし、遠近法をいち早く取り入れるとともに油絵・銅版画の技法を日本で最初に確立した天才画家。
さらに、地動説を我が国で初めて紹介した科学者でもあり、ドナルド・キーン氏も絶賛する『旅日記』を著した文筆家。
そんな大天才・司馬江漢は、奇行を繰り返しては周囲の人々を混乱に陥れる、稀代の「変人」でもあった。
まさしく「江戸のダ・ヴィンチ」とでも呼ぶべき司馬江漢だが、生前の活躍と知名度に反して、今日ではほとんど知られることのない人物になってしまっている。
本書は、そんな江漢に関する種々の記録を丹念に読み解き、没後200年にあたる2018年というタイミングで、その破天荒な生涯の全体像を描き出そうと試みた一冊である。
彼が遺した絵画のみならず、スケッチや科学的メモなども選り抜いて掲載した、評伝の傑作。
【本書の内容】
はじめに
第一章 絵の道に入るまで
第二章 町絵師江漢の誕生と成長
第三章 旅絵師江漢
第四章 窮理師江漢
第五章 地動説から宇宙論へ
第六章 こうまんうそ八
第七章 退隠・偽年・偽死
第八章 不言・無言・桃言
おわりに
「江戸のダ・ヴィンチ」司馬江漢のエピソード一覧
●浮世絵・大和絵・南画(中国の絵画)を極めたのみならず、18世紀の時点で遠近法や油絵を習得した上に、銅版画や油絵の技法を日本で初めて確立した天才画家。
●「地動説」を我が国で初めて人々に啓蒙し、望遠鏡や顕微鏡を自作した科学者としての一面を持つ。
●書き残した旅日記はドナルド・キーン氏も絶賛。表現力に溢れた文筆家としての才能も。
●もう一人の天才・平賀源内との若き日の交流。
●長崎まで旅行を試みるも、あっちに立ち寄り、こっちでグズグズ……。おまけにたびたびホームシックになり、結局、到着したのは約半年後!?
●傍若無人な振る舞いが災いし、大槻玄沢をはじめ、当時を代表する蘭学者たちと仲違い・決裂。
●年齢詐称、鹿の生き血を吸って見せる、自ら「司馬江漢は死んだ」というデマを書いたチラシを配る……。周囲をたびたび驚かせた""奇行""の数々。
著者略歴
池内 了(イケウチ サトル)
1944年兵庫県生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。同大大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)、名古屋大学名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。『科学の考え方・学び方』で講談社出版文化賞科学出版賞(現・講談社科学出版賞)受賞。『物理学と神』『宇宙論と神』『科学・技術と現代社会 上・下』『科学の限界』『現代科学の歩き方』『科学者と戦争』『科学者と軍事研究』など著書多数。
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