明治維新の動乱を背景に燎原の火の如く燃え拡がった廃仏毀釈の中から真言宗はどのように立ち直っていったのか。そしてどのようにして宗団を形成していったのであろうか。 宗祖の御遺告に基づく崇高なる理念によって出発した筈の真言宗はその後如何なる離合集散を繰り返したのであろうか。 本書は興趣尽きせぬ壮大なる歴史物語であるとともに、記録・年表としても活用すべく編纂された、未曾有の真言宗歴史読本でもある。座右に備えて温故知新に活用されたい。