瑞燕国で虐げられる尹族の少女・玉瑛は、聡明な知性があったにもかかわらず、その出自から貴族の屋敷で下女として働いていた。
原因となったのは、尹族出身だった皇帝の愛妾・柳雪媛。皇帝の寵愛を得て絶大な権勢をほこり、謀反を起こそうとして誅された女だ。
以来、瑞燕国では尹族の地位は最下層となってしまった。不遇に耐え懸命に生きていた玉瑛は、しかし、皇帝が発した「尹族国外追放」の勅命により屋敷を追われた。
あてもなく山中を彷徨う玉瑛は、騎兵に追いつかれ斬られ、柳雪媛への恨みを胸に意識を失ってしまう。
ぼんやりと意識を取り戻したとき目に入ったのは、見知らぬ女。高価な調度品。そして、女が玉瑛に呼びかけた。
「雪媛様」と――。玉瑛は時を逆しまに超え、憎んでいた女に生まれ変わっていて!? 中華幻想復讐譚!