近世では日本全国を舞台に活躍した廻船の母港として、また、近現代は九州帝国大学を擁する学問の地として、ひと・モノ・情報が行き交った博多湾沿岸一帯は、時代に応じてその相貌をさまざまに変化させてきた。宗教都市、港町、漁村、宿場町、大学町といった多面的・重層的な都市である「箱崎」を中心に、日本およびアジアの結節点である博多湾およびその沿岸地域の歴史的展開と特質を探る。