1950年代以降、科学技術振興政策によって大量に生まれた「博士」には、なんと就職先がなかった…。かつては「オーバードクター」と呼ばれた彼らのために「ポスドク」という働き口が用意されたが、これも不安定で低収入、しかもその先に研究機関や企業での就職が保証されているわけではない。かくて「博士余剰」問題は未解決のままだ。こうした博士の就職難により大学院進学者も減少、これでは日本の科学技術研究の未来も危ぶまれる。しかしまだ遅くない。日本社会よ、博士をもっと活用しよう!博士の活用は科学技術の発展、そして不況にあえぐ日本の再生につながるはずだ。博士余剰問題を統計データと取材に基づいて考察し、具体的な解決策を提言する希望の書。