• Author伊東潤
  • Publisher文藝春秋
  • ISBN9784167911898
  • Publish Date2018年12月

天下人の茶

絢爛豪華たる安土桃山文化の主座をしめていた茶の湯。その文化を創出した男・千利休と現世の支配者となった豊臣秀吉との相克は、利休が秀吉に切腹を命じられたことによって終わりを告げた。果たしてこの争いの裏には何が隠されていたのか――。

6章からなる物語の大半は、利休の高弟だった、牧村兵部、瀬田掃部、古田織部、細川三斎(忠興)らが、視点人物として置かれている。

大陸への進出に失敗し、自らの功績を能の謡曲にして、それを演じることにのめり込んでいく秀吉の姿にはじまり、弟子たち個々の人生と利休とのかかわりを描くことで、徐々に利休の死の真相に迫っていく。

著者は、秀吉を「野心と自己顕示欲が極めて旺盛な人物。そのやろうとしたことは信長の模倣にすぎない」と分析する。一方、黄金の茶室を自ら作った芸術センスを「秀吉は独自の侘びを発見した」と評す。そこから利休との対立が発生し、さらに関係が悪化していく過程にも、新たな解釈で斬り込んでいく。

第155回直木賞候補作。

解説は永青文庫副館長の橋本麻里氏。

>> 続きを表示

Recently borrowed books by this book borrower.

  • 太陽の石
  • 魔道師の月
  • 白い巨塔 第3巻
  • 白い巨塔 第4巻
  • ユダヤ人大富豪の教え / 幸せな金持ちになる17の秘訣
  • 一〇三歳になってわかったこと / 人生は一人でも面白い
  • 吉原御免状 改版
  • 白い巨塔 第1巻
  • 白い巨塔 第2巻
  • 家族という病