過労死と落語。「水と油」の取り合わせに見える「過労死落語」には、理不尽に死んでいく人の悲しさと、その死への怒りが込められてはいても、なぜか温かい。その温かさがなぜ生まれるのかを生き生きと描き出した新聞記者・松井宏員氏の「毎日新聞」連載と、急逝した落語家・桂福車師匠の演目を再現して収録する。落語がもつ文化力が際立つ書。