気鋭の万葉学者がみた、もうひとつの巨人の実像いまもっとも求められるのは境域を超えて思考することだ。そして、古典学の未来はまさにそこにこそある。万葉文化論を提唱する著者が、民俗学のパイオニアの一人にして、はじめて『口訳万葉集』をつくった折口信夫の実像に迫る。ジャンルを軽々と越境する姿を活写する、まったくあたらしい異色の折口論にして、古典学ルネサンスの可能性を模索する渾身の書。