神戸静河は学芸員志望だったものの、唯一入り込めたのはイチビこと、地元の市立美術館の警備員のみ。警備システムの解除や、正面玄関の開錠など、美術館スタッフたちを迎えるためにいち早く出勤しなければならない。これがわたしたち、女性警備員のオシゴトでもある――。深夜に美術館前の庭園で遭遇した不審な男の正体とは? 巡回中の展示室で見た浮世絵が新発見の写楽? 展示物の紹介が縁で神社の失われた刀剣がひょっこり登場したが……などなど、地道な警備のオシゴトと、美術ミステリのコラボレーション! ミステリーズ!新人賞受賞作家が、京都の町と美術館を舞台に描く、連作短編集。