明治末から昭和初期にかけて活躍した絵師、小原古邨(1877~1945)は、鳥や動物、花といった身近な自然を精巧な木版画で表現し、海外に輸出された作品は欧米を中心に大きな人気を博しました。没後日本では忘れられていましたが、昨今展覧会が開かれるなど再評価の気運が高まり注目を集めています。本書は東京の太田記念美術館で2019年2月から開催される展覧会の図録兼用書籍として、約150点の木版画を掲載し、古邨の全貌を紹介する待望の画集です。江戸時代より伝わる木版画の技を駆使して表現された、花や鳥の生き生きした姿は現代の私たちを夢のような「紙上の楽園」に誘います。