人は無我に生まれさせられ 身の抜け殻の始末は免責となる 不用意に始まり不始末で終わる天の恵み
「思春期のころから私は家と名のつくものに違和感があった。……それでいて無為に時は流れ、気がついてみると折に触れては家族、血縁についての作品を書きためていた。あらためてその意味を考えずにはいられない」(「あとがき」)。 戦中戦後と激動の時代を生き抜いてきた詩人が人生を振り返り、先立った両親と巣立っていった子供たちに捧げた最新詩集。