去る1991年3月17日、崔小岩さんが急逝された。崔さんは、15年戦争のさなか、16歳で朝鮮から日本に渡った。全国各地の土木工事にたずさわったのち1944年、松代大本営工事の作業員となった人である。崔さんは、天皇制の延命を図った大工事、朝鮮人強制労働によって遂行された大工事、それをつぶさに見、戦後、松代町に住んで語り続ける唯一の証人であった。