初のエッセイ集『ヨーロッパ退屈日記』(1965年)を発表以来、伊丹十三は海外の文物を語りつつも、ほとんど常に日本や日本人に対する切実な訴えを紙背に忍ばせていた。「日本人」はどこから来たのか、そしてどこへ行くのか――――伊丹を捉えて離さなかった「日本というミステリー」をめぐる旅。