長らく「まち」はお上がつくるものとされてきた。住民が参加し、主体となっても、その癖がぬけない。相変わらず道はまっすぐ、公共建築はカタい。その手に乗るな。町はやわらかく、人の暮らしを包み、たとえはかない命であっても輝く生の舞台でなければならない。あちこちで起こる対立やわずらわしさも太っ腹に受け止め、単なる「空間」ではない、居心地のよい「場所」をつくるための、これは画期的な提案と具体的な示唆の本である。