第20回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞作。小六の翔太と純はクラスメートの住む団地へ忘れ物を届けに行き、そこでまるでモノクロの古い写真を見ているような不思議な光景を目にする。次の日、古書店を営む祖父にそのことを打ち明けると、もう団地にはいかないほうがいい、とだけ言われて……。
「第20回ちゅうでん児童文学賞」大賞受賞作品です。(選考委員:斉藤洋、富安陽子、鷲田清一の各氏)
小六の翔太と純はクラスメートの住む団地へ忘れ物を届けに行き、そこでまるでモノクロの古い写真を見ているような不思議な光景を目にする。次の日、古書店を営む祖父にそのことを打ち明けると、もう団地にはいかないほうがいい、とだけ言われて……。
子どもたちはこの物語を読んで、こころのどこかにしまい込む。いつかふたたび手にとるために。そう、この作品は未来のおとなのために書かれた。─鷲田清一氏
まさに謎が謎を呼ぶ物語りという印象です。頁を開いた瞬間から読者は予測不能の世界に引き込まれ、「何が起きているの?」「次はどうなるの?」と物語にのめりこんでいくことでしょう。─富安陽子氏
謎解きとタイムスリップという物語の大きな流れ、その本流に寄り添って流れる小川があります。何かといえば、それは母子家庭です。この物語は、母子家庭が市民権を得る物語でもあるのです。─斉藤洋氏