「自分の嫌いなものをあれこれ考えるのはとても愉しいことです」――物づくしの末に現れる、マヤカシとマニアワセを排し、正調を尊ぶ自在な精神。ユーモラスなイラスト、稀代の凝り性だった著者の面目躍如たる「伊丹十三の編集するページ」とあわせて楽しみたい、「好悪の感覚」をめぐる傑作エッセイ集。