空から風にのってやってきた、メアリ・ポピンズと不思議な世界へ。
安野光雅が描く、美しい絵の中へ遊びにゆきます。
ロンドンの美しい桜通りに住むバンクス家に、ある朝、こうもり傘を差した乳母、メアリ・ポピンズが東風に乗って現れます。彼女がやって来てから、子どもたちは大喜び。指をぱちんと鳴らすと魔法のように散らかった部屋が片づき、不思議な鞄からは何でも出てきます。大道芸人の描く絵の中に入って遊んだり、空中に浮いたままお茶会を楽しんだり……。
日常風景から、曲がり角ひとつ曲がるといつの間にか不思議な世界に入り、ひとしきり楽しむと、また当たり前の世界に戻る、空想物語の名作。日常の世界に現れる不思議な世界は、子どもらしさを、そっと閉じ込めて思い出させてくれます。