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  • 著者佐藤かおり
  • 出版社三一書房
  • ISBN9784380190018
  • 発行2019年3月

セクハラ・サバイバル / わたしは一人じゃなかった

15年前、私はセクハラにあいました。派遣社員だった私は、当初、派遣先の上司から受けた執拗なセクハラを何とかうまくかわそうとしました。
生活していくために、仕事を辞めることはできなかったからです。しかし、上司のセクハラは嫌がらせの度合いを増し、パワハラも加わって次第に追い詰められていきした。
やっとの思いで相談した派遣先や派遣会社の人たちからは相手にもされませんでした。ついに心身に不調をきたし、死すら思うようになったときには、仕事を辞めるという選択しかありませんでした。
 けれども、支援者との出会いが私の人生を大きく変えました。暴力の被害を受けた女性の支援にずっと取り組んでこられたスタッフにめぐりあったとき、初めてセクハラについて「理解してもらえた」と思いました。そこから、回復を始めることができたのです。
 いま、この瞬間も、かつての私のようにつらい毎日を生き延びている被害者に、「あなたはひとりじゃない」「支援者につながろう」と伝えるために本書を書きました。そして、社会に向けて、被害者の身近にいる人たち、同僚や友人や家族に向けて、セクハラがどれほど深刻なダメージを与えるかを知ってもらいたい。
 また、職場のセクハラは労働災害だということを伝えたい。仕事が原因でケガや病気をしたとき労災保険で療養補償(医療費)や休業補償が受けられることはご存じでしょう。
しかし、セクハラによるメンタル不調が労災補償の対象となることを知っている人は、少ないのではないでしょうか。
 第1章では、やりがいを感じて仕事をしていた日々から一転、セクハラの被害にあい当たり前の日常が奪われていく苦悩の日々を、第2章は、人生の転機となるウイメンズ・ネット函館との出会いなどを、第3章は、労災認定を求めて闘う日々を、第4章では、被害当事者や全国の女性たちの声を受け、国がセクハラ労災認定基準の見直しを行う様子に触れます。第5章では、退職後も続く精神的後遺症のある期間の補償を求めて行う行政訴訟などを、第6章では、セクハラと闘うパープル・ユニオンを立ち上げ、当事者たちの事例を紹介しながら、今後の課題などについて語ります。
巻末には、セクハラや性暴力被害の相談先を掲載しました。
 本書は、セクハラを受け、仕事も生活も打ちくだかれ、心身ともに追い詰められた一人の女性の闘いの記録であり、再生の物語でもあります。
(まえがきより)

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