ベストセラー『モモ』や『はてしない物語』の作者が、長年月かけて熟成させた、代表作『鏡のなかの鏡』につづく力作短編小説集。精神の世界の深みにおもりを下ろし、そこに広がるさまざまな現実を色とりどりの花束に編み上げた、エンデ文学の到達点を示す力作。ヨーロッパ的精神世界とドイツ・ロマン派的な文学伝統を背景に、手紙、学術的レポート、手記、「千一夜物語」のパロディ、伝説など、さまざまな手法を駆使して繰り広げられるファンタジーの世界は、ミヒャエル・エンデの魅力を余すところなく伝える。