古代から脈々と研究が続く物理学。20世紀には、自然界には4つの力(重力、電磁力、弱い力、強い力)が存在することが証明されたが、ミクロからマクロまですべての事象に通用する4つの力の統一理論は、アインシュタインも成し得ない課題であった。ここ10年間に急激に進歩した「超ひも理論」が、その宿題を解決する最終理論(theory of everything)と目されている。物質の最小単位が「ヒモ」だとするこの理論は、4つの力を統一するだけでなく、宇宙の始まりもヒモであり、我々は10次元の宇宙のうちの4次元面という膜に住んでいる、という宇宙観まで打ち出した。