いよいよ皇后・雅子さまの時代に――
本書は、美智子さま、雅子さま、紀子さま、愛子さま、眞子さま、佳子さまの6人の皇室女性を通して見えてくる、日本の多くの女性たちが抱える共通の課題・問題を論じます。
働き方、婚約、結婚、出産、子育て、ジェネレーション・ギャップ等々、皇室のやんごとない女性たちも、日本の多くの女性たちと同じ問題を抱え、それを克服しながら、平成という世を歩んで来られました。いわば皇室は私たちを写す〝鏡″だったのです。
1.「〈努力ではどうにもならないことがある〉と気づけない」
2.「やっぱり〈婚家より実家が頼り〉に思える」
3.「〈私事より義務優先〉を次の世代にも求めてしまう」
4.「〈子どもはまだ?〉がタブーでない社会に日々傷つく」
5.「自分の〈痩せすぎ〉を自覚できない」
6.「〈ふつうの生活〉が一番むずかしい」
7.「〈子どもが自分の思い通りにならない〉ことに愕然とする」
……等々、男女雇用機会均等法施行以後、日本の多くの女性たちが当人として、また家族としてぶち当たってきたさまざまな心の問題を、精神科医の香山リカ氏が、本書において鮮やかに切り取り提示します。
まさに〝写し鏡″としての皇室女性たちのお姿を考えることは、まもなく平成の世を終え、新しい時代に入っていく私たち日本人に、よりよい新時代のための貴重なヒントを与えてくれるはずです。また、より開かれた皇室、私たちが単に敬意ばかりでなく、「自分も同じだ」と共感のまなざしや、ときには励ましのまなざしを向けることができる、新時代の皇室を考えるための大いなるきっかけになるに違いありません。