なんの変哲もない一本の槐(えんじゅ)の木。春夏秋冬、朝と夜、晴天と雨、雪や雷、降るような星空……さまざまに表情を変える丘の上を舞台に、かつて雷に打たれ生き残ったその木は、たった独りでたくましく健気に生きている。そこに一陣の風のように、詩人・谷川俊太郎の鋭くも思索に富む詩の言葉が届き、一本の木が生きる丘の上の生命宇宙と溶け合う。詩人と一本の木が創り出す、心清まる写真詩集。