廃ゲーマーを社員にしたり、「ブラウザ三国志」に会社ぐるみでハマったり、自作ゲームのコンテストを開いたり、「将棋電王戦」を開催したり。そんなドワンゴは、そもそもネットワークゲームを対象としたシステムの企画・開発・運用行う会社として1997年に設立された。同社は、着メロで地固めをし、ニコニコ動画でユーザーコミュニティを確立し、ニコニコ超会議ではリアルイベントで「リアルとネットの融合」を試みた。
本書は、そんなドワンゴのストラテジを暴こうとするゲームサイト・4Gamer.net編集部の企みと、あくまでもゲーマー人生の自慢したかったドワンゴ会長・川上量生の戦いを描いたものである。それは一見、ただの雑談をしているだけのようにみえて、実は、ビジネスやウェブサービス、ネットコミュニティについて、あるいは21世紀における社会の最適解をどう見つけていくのかを議論し明らかにしている。
『ルールを変える思考法』(角川EPUB選書)の元にもなった第10回(10.5回は電子版に収録)までと、それ以降のビジネスをからませたゲーム話、さらに川上による「あとからコラム」、「ゲームリスト・ゲーム年表・ドワンゴ年表」を収録した超保存版。その根底に流れるのは、素晴らしきリアル・ゲーマーたちの愛と野望と挫折と哲学なのである。
目次
1 世の中で一番面白いゲームは「現実」
2 「事業成功させるための方法論」について
3 「ひろゆき」みたいな人間が増えていくと、人類は滅亡する!
4 “コンテンツの定義”を見つけた
5 あのとき君は、どうして「Player Kill」ばかりしていたの?
6 今は”無駄なこと”が不足しているから、僕らは「ニコニコ超会議」をやったんです
7 オンラインゲームでのチームマネジメントは会社の経営に通じる
8 コミュニティサービスの本質ってどこにある?
9 会社経営はクソゲー過ぎる!
10ゴミ拾いばかりしてたら「夢の島」が出来ちゃった!
10.5 経営者こそもっと社畜になるべき!
11 「ネットとリアルの和解」がニコニコ超会議の役割――ニコニコ超会議2
12 ゲームの周りに凄い才能が集まっていた
13 津田大介の”本性”を見た!
14 絵文字の生みの親が語るiモード開発の舞台裏。ドコモがアップルになれなかった理由
15 「BM98」を開発した伝説的なプログラマー登場! 将棋電王トーナメント、なんで勝てたんですか?
16 将棋電王戦は、21世紀を生きる人類を映し出す鏡なのかも
17 なぜ今、努力しないで成功する物語がはやるのか?
18 「普通はこうだから」って意見とは戦っていきたい――ニコニコ超会議3
19 人類は「機械が生み出す知財」にどう向き合うべきか
おまけのあとがき対談「論理と愛と賢さについて」
ドワンゴ年表・ゲーム年表・ゲームリスト
登場するのは、麻生巖、伊藤直也、海燕、栗田穣崇、清水亮、谷川浩司