私は見かけは穏やかに生きてきた。夫の三浦朱門が亡くなって二年が経つ。知り合いには「私は同じ家で、同じように暮らしております」といつも笑って答えている。見た目の生活は全く変わらないが、夫の死後飼い始めた2匹のネコだけが、家族の数を埋める大きな変化である。老後の日常を切り取った暖かいエッセイ集。「婦人公論」巻頭で話題沸騰の待望の書籍化登場。