一九四五年六月十九日の夜、福岡市はB29の大編隊による空襲に遭い千の死者が出た。その深夜、福岡市の西にある小さな農村に一機の爆撃機が飛来した。おだやかな日々をおくっていたきょうだいがねむる屋根に、焼夷弾の雨がふりそそぎ父母と弟妹を奪いさった。