「宗教は人間を疎外するという考え方の根本的な修正を迫り、宗教が人類の真の進歩のためにどんなに大きな刺激となりうるかを、自らの生き方によって証明しようとした宗教観を彷彿させる。そこには現代科学の成果が信仰を困難にするどころか、むしろこれによってキリスト教の信仰内容がいかに深められ、よく理解できるようになるかの証しに一生を捧げた、テイヤールの姿が大きく浮かび上がってくる。」
(「テイヤールの生涯と仕事」より)
イエズス会の司祭であり、また科学者として北京原人の発掘に関わった、テイヤールの主著。生前は、イエズス会から出版を認められず、歿後まもなく1950年に原書は刊行される。科学とキリスト教の綜合を目指し、人類と神の存在を宇宙にさぐる、深遠な思想を展開する。訳者による「テイヤールの生涯と仕事」と「テイヤールの著作と参考文献」を加えた新版。