従来の経済発展モデルでは、世界の20%の人々が歴史上前例のない物質的豊かさを享受しているとはいえ、その人々でさえ幸福感を実感できず、そればかりか最貧層の10億の人々は最低限のニーズさえ満たすことができない。地球生態系にかかる負荷がさらに過重になるにつれ、人類社会の不平等はさらに拡大・悪化せざるを得ない。これに代わる経済発展モデルを構築することは可能なのか。著者らが考案し、世界中で使われ出している「エコロジカル・フットプリント」と名付けられたこのシンプルな分析ツールは、現在の経済活動の持続可能性を計量・評価するだけでなく、人間社会に新たな環境意識を形成し、持続可能な社会政策を構築するための実効的な手法である。