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  • 著者小松裕
  • 出版社小学館
  • ISBN9784093882088
  • 発行2011年9月

真の文明は人を殺さず / 田中正造の言葉に学ぶ明日の日本

今こそ、明日への指針に田中正造の言葉を
東日本大震災と原発事故を受けて、今、日本社会では、文明観の転換の必要性がさまざまに議論されている。これまでのような効率(経済合理性)と便利さ・快適さを追求する文明のありようを根本から変革することなしに、今後の日本はありえないだろう。この問題を考えるときに必要なのは、先人の思想に学ぶことである。とりわけ、今から約100年前に田中正造が主張した「真の文明」論が、非常に参考になる。
「真の文明は山を荒さず 川を荒さず 村を破らず 人を殺さざるべし」
田中正造がおよそ100年前に記したことばであるが、明治以来私たちが追求し、謳歌してきた近代文明とは、自然をコントロールできると考えてきた「文明」であったが、今こそ謙虚に、近代文明そのものに対する痛烈な批判を含んだ田中正造の思想に耳を傾け、自らに生き方をもういちど問うことで、あらたな生き方が見いだせるのではないか、そして、その道筋を見つけ出す助けになればというのが本書の狙いでもある。「真の文明」について考え続けた田中の思想の軌跡をたどっていく本書を読むことで現実に向き合って生きるための準備となるだろう。

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