まもなく、平成の世が終わります。本書は、まさにこの平成の時代にジャーナリストとして独り立ちし、監視社会、格差社会、企業社会、強権支配など、この間社会を覆い、その都度混迷を深めていった日本の〝病巣″をノンフィクションの手法で常に鋭く批判してきた著者による、総括的「平成論」です。
日本人の多くはますます貧乏になっている、再び日本に戦争が近づいているようだ、大きな事件・事故や不祥事があっても誰も責任を取らない等々、日本人の多くが肌で感じてはいるが見て見ぬふりしている社会の危機的な状況を、本書はひとつひとつ腑分けしながら、丁寧明快に論じていきます。
平成とは、一言でいえば、日本が「アメリカの属州」であることが、誰の目にも明らかになった30年ではなかったか。
なぜ沖縄の県民投票で「辺野古埋立て」にNoの民意が出ても国は一顧だにしないのか。安倍首相の有形無形の関与が誰が見ても明らかな「モリ・カケ」問題が、なぜ「私は一言もそんなことは指示していません」の一言で終わってしまうのか。
戦争のできる国づくり、社会保障費の大幅切り下げ、労働市場の行き過ぎた自由化、そして跳梁跋扈するネトウヨに国民の空気が支配されるニッポン。せめて次代を「夜明け前」にするために、今あえて「平成」の暴虐を暴く!