死刑,安楽死,脳死,殺人,戦争,動物利用――さまざまな倫理的問題に潜んでいる虚構とは何か? 「人格」「所有」といった近代的な概念が可能にしている“死をめぐる思考”を問い直し,社会制度や宗教文化をふまえた,私たちの死生観の深層を探る.和辻哲郎文化賞,中村元賞を受賞した『人格知識論の生成』から,さらに現代の課題に挑む渾身の作.新たに補章を増補する.