【特集】国家の再定義ーー立憲制130年
今年は1889(明治22)年に大日本帝国憲法が発布されて130周年にあたる。
非西洋地域で初めて、長続きする立憲政治の体制を創りあげたのは、日本の歴史を二分する大事件である。
憲法の内容の評価はともあれ、そこで築かれた国家制度の上に、いまの日本の政治も経済も成り立っている。
できあがった近代国家の秩序は、政党、地方、軍事や宗教など、まもなくその外とのあいだの力関係にさらされることになる。
前近代の「国家」「天下」のあり方から、いかにして変わったか。
その過程の検証は、現代でもたとえば紛争地域での秩序の再構築に重要な示唆をもたらすはずである。
130年の全体を見わたしながら再検討することは、政治秩序のいまを考える営みへつながってゆく。