かつて1920年代、日本に本格フランス料理を伝えた伝説のシェフがいた。その人物はサリー・ワイル。横浜のホテルニューグランドの初代総料理長として腕をふるい、ホテルオークラの小野正吉、東京プリンスホテルの木沢武男、日活ホテルの馬場久等々……数多くの名だたる料理人を育てあげた。その系譜は今も日本のフランス料理界に脈々と息づいている。ワイルが日本の西欧料理界にもたらした革命を克明にたどり、その情熱の根源に迫った力作!