「西武」と「団地」は、東京郊外に何を生み出したのか? 一九六〇年代、反共親米の政治家・事業家が築いた「西武帝国」とも言うべき沿線に、なぜ続々と団地が建てられたのか。「アメリカ型」の生活が体現された団地になぜ革新勢力が芽生え、「ソヴィエト化」していったのか――西武が走らせた「特急電車」と、団地の時代を象徴する「星形住宅」が織り成した皮肉な空間を炙り出す力作評論。