巻頭特集「リトグラフ150年 商業印刷から版画へ」
「リトグラフ」とは18世紀末にアロイス・ゼネフェルダーによって発明された印刷技術です。
描いたものをそのまま紙に写し取ることができ、日本でも明治末頃から多くのラベルやポスターを印刷するために普及しました。
かつては商業印刷のための技術として、全国、全世界でで扱われていたリトグラフですが、現在では版画家やアーティストたちの間で作品制作のための技法のひとつとなっています。
その一方で、近年はミュシャやロートレックなど、もともとはリトグラフによる商業印刷物であったポスターが美術品として美術館などで展示されるようにもなっています。
本特集では「印刷」と「版画」両方の性質をもつリトグラフについて、そのふたつの側面から注目し、過去の作品や歴史、現代に活躍する作家たちを紹介します。