わが国では、成人期以降の自閉症の人のうち、就労している人はわずか6パーセント強、9割以上の人が施設、作業所に通所といわれ、一方、アメリカのノースカロライナ州では、95パーセントの人が地域で自立して生活し、しかも希望者の7割が就労しているという。この違いの背景にあるのは、「自閉症の人に環境をあわせる」というTEACCHプログラムの考え方。本書では、TEACCHによる自閉症の人の社会参加へ向けた支援のあり方を踏まえ、「暮らす」「学ぶ」「働く」の3つの視点から、先進的な事例を紹介している。