本書は嘗て高野山の寺報誌に連載した内容に、加筆修正して刊行された。「神秘体験の宗教」という真言密教について、教理と行証に分けて具体的に解説した類書のない1冊。前編では空海の『十巻章』に基づきながらその神秘体験の教理を明かにし、後編の行証は四度加行の内容を解説しつつ、そこに一貫する神秘体験の主旨を追求する。真言密教の「行」ひとすじに生きてきた著者が、70年に満たんとする祈りの生活を通じて得た、真言密教実践の道を綴る。真言密教の教理を説いた名著が、約30年ぶりに新装版として復刊!