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  • 著者吉松崇
  • 出版社PHP研究所
  • ISBN9784569843322
  • 発行2019年7月

労働者の味方をやめた世界の左派政党

フランスでの燃料税増税への反対デモ「黄色いベスト運動」のように、いま世界中で政治への不満が高まっている。その背景として、世界の政党の大きな変容が挙げられる。かつて左派といえば、労働者の権利を守る集団だった。だが現在の左派政党は労働者の味方であることをやめ、エリートのための政党に変容している。折しも日本でも現在、消費税増税と移民受け入れという労働者の賃金と消費を下げる政策が進行中だ。この絶望を回避する道はあるのか? 『21世紀の資本』の著者トマ・ピケティの政治分析をヒントに、21世紀の労働者を救う道を探る。
はじめに――エリートに対する大衆の反乱
第一章 ピケティの政治分析から見た政党の変質
第二章 「弱者」のための政党が消えた日本
第三章 移民の政治経済学
第四章 マクロン大統領とフランスの危機
第五章 ブレグジットとイギリスの行方
第六章 アメリカ二大政党の将来を読む
第七章 EU難民問題―日本への教訓
有権者の投票行動を規定するのは、政党の掲げる具体的な政策とその実現性にある。そして今日、多くの先進国で、最重要の政治的争点が移民問題と緊縮財政にあることは明白だ。
飜って、日本の左派政党は、有権者からの支持率回復に繋がるような具体的・現実的な政策パッケージを国民に提示できているだろうか? イギリス労働党を始めとする欧州の左派政党の多くが、人びとが直面している課題の変化に対応して、その掲げる政策パッケージを大胆に見直しているという事実に、彼らこそ学ぶべきだろう。(本書「あとがき」より)

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