『吾輩は猫である』のモデルになった仔猫は、漱石の妻鏡子との攻防の果てに、いかにして夏目家に住みついたのか。七人の子供を育て、座る暇もないほど忙しい生活をおくった鏡子と漱石の関係。"狂気の時"の恐ろしさと、家族しか知りえないおおらかな素顔。漱石没後の夏目家-。長女筆子から伝え聞いた夏目家のくらしと、文豪の孫としての日常をユーモアたっぷりに描く珠玉のエッセイ。