• 著者川上未映子
  • 出版社文藝春秋
  • ISBN9784163910543
  • 発行2019年7月

夏物語

パートナーなしの妊娠、出産を目指す夏子のまえに現れた、

精子提供で生まれ「父の顔」を知らない逢沢潤――

生命の意味をめぐる真摯な問いを、切ない詩情と

泣き笑いに満ちた極上の筆致で描く、21世紀の世界文学!

世界十数ヵ国で翻訳決定!









生まれることに自己決定はない。だが産むことには自己決定がある。

この目も眩むような非対称を、どうやって埋めればよいのか?

母になる女たちは、この暗渠をどうやって越したのか?

どうすれば、そんな無謀で勝手な選択ができるのか?

作者は、「産むこと」の自己決定とは何か? という、怖ろしい問い、だが、

これまでほとんどの産んだ者たちがスルーしてきた問いに、正面から立ち向かう。

――上野千鶴子(「文藝」秋季号)





笑橋で今日も生きる巻子の、物語終盤での言葉に、誰もが泣くだろう。(中略)

この作品は間違いなく傑作である。

――岸政彦(「文學界」8月号)







この作品は、全方向からの意見に耳を傾けているような、

極めてフェアな作りになっている。

それも生殖医療を論じる難しさの中で、

子どもを持つ、というシンプルな願いをどう叶えるかと、模索した結果であろう。

川上未映子は、難しいテーマを、異様な密度で書き切った。

――桐野夏生(「文學界」8月号)





これ以上ないほどシリアスな倫理問題を扱っているが、

大阪弁を交えた語りやセリフの爆発的な笑いの威力よ。

破壊と創造を同時になしとげる川上語も堪能されたし。

――鴻巣友季子(「毎日新聞」7月28日書評)









この物語には、人が生まれて生きて、そしていなくなることの、

すべてがある。

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