近くの書店で在庫を調べる
  • 著者ピョン・ヘヨン 姜信子
  • 出版社白水社
  • ISBN9784560090602
  • 発行2019年8月

モンスーン

韓国現代文学の到達点
 ピョン・へヨンは、韓国で最も権威ある文学賞・李箱文学賞を2014年に「モンスーン」で受賞し、以後も数々の文学賞を受賞、男女問わず多くの読者に支持される女性作家である。
 派遣社員、工場長、支社長、上司、部下、管理人……都市という森に取り囲まれ、いつのまにか脱出不可能になる日常の闇を彷徨う人たち。「モンスーン」から最新作「少年易老」まで、都市生活者の抑圧された生の姿を韓国の異才が鋭く捉えた九篇。著者のこの10年の充実の作品群を収めた、日本語版オリジナル短篇集。
 「モンスーン」:郊外の団地。ユジンとテオの夫婦関係は冷めきって、会話が成り立たない。きっかけは、生まれて間もないわが子の死だった。子どもを家に置いたまま、二人が別々に外出した時に起きた出来事だった。テオは妻に対する疑念を打ち消すことができない。テオは駅近くのバーで、妻の勤める科学館の館長に偶然出会い……。
 「ウサギの墓」:派遣社員の彼は、6か月間だけこの都市に暮らす予定だが、公園に捨てられていたウサギを抱いて家に帰る。仕事は簡単だった。資料を集め、書類を作り、担当者に提出する。前任者は彼に仕事を引き継いだ後に行方不明となるが……。

>> 続きを表示
    •  
    • この本が読めるところ
    • 借りた人・借りている人