退院して大好きなつばさ園にくると、しゅんくんがかけてきた。歩行器をみて「てつだってやる」というしゅんくんに、わたしは「いらない」と強い声で言った。わたしは体を思うように動かすのが難しい。でも、歩行器があればみんなと歩ける。ある日、挑戦するしゅんくんの姿を見て、わたしもすべり台にのぼりたいと思った。わたしは、こくんって、うなずく。だいじょうぶ。きっとできる……。新しい一歩をふみだしたふたりの物語。