戦国争乱の世、武田信玄は甲斐の小大名より身を起こし、いくたの戦陣を駆けめぐって四隣を制圧し、"甲斐の虎"と恐れられた。当代随一の軍略家といわれ、屈強な甲州軍団としたたかな外交手腕を駆使して、生涯の大半を征服戦争に費やした。本書は、広大な甲斐合衆国を築きながらも空しく陣没した英傑の生涯を、同国人の著者が情熱を傾けて描く。